2009-11-10

Invaders Must Die - The Prodigy

これはいいです。すべてのロック、テクノ好きに聴いてもらいたいアルバムです。

"We are The Prodigy" のリフレインが印象的なタイトルトラック "Invaders Must Die" で始まり、かっこよすぎる 1st シングルの "Omen"、女性ボーカルによるキャッチーなレイヴナンバーである 2nd シングルの "Warrior's Dance" をはじめとして良い曲揃いです。そして "Thunder", "Warrior's Dance", "Run With The Wolves" ではなんと Dave Grohl (Nirvana, Foo Fighters, Queens of the Stone Age, Them Crooked Vultures) がドラムをたたいていて、これが実によくはまっていて良いです。

前作 "Always Outnumbered, Never Outgunned" はリアムだけがレコーディングに関わっていましたが、今作では "The Fat of the Land" 以来実に 10年ぶりにキースとマキシムがレコーディングに参加しているということも良い方向に働いたように感じます。

とにかく『良い』です。

2009-11-03

Chinese Democracy - Guns N' Roses

1991 年にリリースされた Use Your Illusion 以来実に 17年ぶりのオリジナルアルバム。ついにオリジナルメンバーは Axl Rose だけになっていますが、Axl の声があれば Guns N' Roses にきこえます。とはいうものの、Slash のあの特徴的なギターがないのはやはり何かが違うというか、Guns になりきらないというか。

アルバムとしてはいいです。が、Guns N' Roses のアルバムとしてはもの足りません。17年も待たせたことを加味するとさらにもの足りません。シングルカットされた Chinese Democracy, Better それから Madagascar をはじめとして、他にも Leonardo DiCaprio / Russel Crowe 主演映画 "Body of Lies" のエンドロールで使用された If the World, Catcher in the Rye など良い曲は多いです。お薦めできるアルバムですが、Guns N' Roses をまだ聴いたことのない人には彼らの 1st アルバムにして超名盤 "Appetite For Destruction" をまずはおすすめします。

2009-10-25

Operation: Mindcrime - Queensrÿche

メタル史上に名を残すコンセプトアルバム。個々の曲も良いですが、全体のまとまりがすばらしい。まだ聴いたことのない人は是非。

ここ何年かメタルを聴くことはあまりなく特にきっかけというきっかけもなかったのですが、最近メタルをぽつぽつと聴いています。そんな中でまず聴きたくなったのがこのアルバムです。さる方面で有名な BURRN! 誌のレビューで軒並み高得点を得ていたことがきっかけで聴き出したのですが、最初に耳にしたときはいまいちピンとこず。しばらく聴いているうちにどんどん良くなってきて気づいた頃には中毒状態、何度聴いたことか。

ほんとうに捨て曲というような捨て曲はありません。曲、演奏、ボーカル、すべてが高次元で作られたアルバム。

ライブ盤 Operation: LIVEcrime もありますがこっちも良いです。元がコンセプトアルバムだけに曲順まで完全にスタジオアルバムを再現したものになってます。メタルやハードロックバンドのライブアルバムには演奏や演出が下手だったり録音状態が悪かったりというのが珍しくないのですが、これはそんなことはなくすばらしいです。

2009-10-21

Shaka Rock - Jet

荒削りな 1st、なんとなくこじんまりしてしまった感のある 2nd を経たからこそできたと感じられる 3rd アルバム。自分たちのやりたい音楽を自分たちの信じる方法でやったのではないかと感じられます。

LA メタルっぽさや 70's, 80's のような雰囲気も感じる色々な要素が入ったごった煮ロック。そういう意味ではまだまだ未完成なところも感じますが、逆に言うと可能性も感じるアルバムです。ライブ、そして少し気が早いですが次のアルバムが楽しみです。

"Are You Gonna Be My Girl" に代表されるようなアグレッシブでワイルドなのが好きな人にはお勧め。水嶋ヒロと長谷川潤が登場する Right-on のデニム BACK NUMBER "NEW SHINY DENIM" の TV-CM で耳にしたことがある人もいると思いますが、特に #3 の "She's A Genius" はかっこいい。



2009-10-20

Horehound - The Dead Weather

The White Stripes, The Raconteurs, The Kills など 70'sロック、パンク、ガレージロックの音が好きな人は絶対。今回も相変わらずかっこいいです。

Jack White のニュー・プロジェクト、The Dead Weather のデビュー・アルバム。The Dead Weather には Jack White のほか The Kills の Alison "VV" Mosshart (Vo)、The Raconteurs の Jack Lawrence (B)、Queens of the Stone Age の Dean Fertita (G) が参加、Jack White はドラムをプレイしています。

The Dead Weather は、Jack White にとって The White Stripes, The Raconteurs に続く 3つめのバンド。Jack White 曰く

こいつとこいつとあいつとでプレイしてみようなんて考えてバンドを結成したわけじゃない
2つとも偶然生まれたんだ

既に 2nd が半分完成しているという噂もある The Dead Weather のデビューアルバム、まだ聴いていない人は是非。

2009-10-16

The E.N.D. - The Black Eyed Peas

全世界で 1,000 万枚以上という驚異的なセールスを記録した 4th から約 4年ぶりの The Black Eyed Peas の 5th アルバム。今作はエレクトロを全面に押し出した、ダンサブルでポップなヒップホップに仕上がっています。クラブミュージックを望む人にはポップすぎるかもしれませんが、エレクトロ風味が効いたポップミュージックやヒップホップ好きには間違いなくおすすめできます。とにかく聴いていて楽しくなるアルバムに仕上がっているアルバムです。

1st シングル "Boom Boom Pow" は Billboard Hot 100 で12週連続 1位を獲得し、続く 2nd シングル "I Gotta Feeling" は 8週連続 1位。グループとしては合わせて20週連続 1位となり、同一アーティストによる連続 1位占有記録で Usher の 19週連続を抜いて Billboard の新記録を樹立しています。

ちなみに "The E.N.D." とは "The Energy Never Dies" の短縮形だそうです。

2009-10-14

Scars - Basement Jaxx

前作より 3年ぶりとなる Basement Jaxx の 5th アルバム。今作では Yoko Ono, Kelis, Lightspeed Champion をはじめとして様々なアーティストとコラボレーションしています。いかにも Basement Jaxx という tr. 2, ストリングスで始まりブラックなポップスへと変化する tr. 5, アコースティックギターを取り入れた特徴的な tr. 6, オールディーズのような tr. 7, オリエンタルな感じがおもしろい Yoko Ono とコラボレーション曲である tr. 9, ドリーミーな tr. 12, ラテンの雰囲気を持った tr. 13 など今作もバラエティに富んでいます。Basement Jaxx のファンやエレクトロニカ好きにはもちろん、ロックやポップスが好みの人にもおすすめです。

ニューアルバムについて Felix が英 Metro 紙のインタビューに答えて以下のように言っています。

ニューアルバムはバンドがここ 10年経験してきたことを象徴している。
俺達、肉体的にも精神的にも “傷 (scars)” を経験してきた。2006年に俺は南アフリカでステージから落っこち頭を切った。オーストラリアのツアーでは MC が深部静脈血栓症を患って、ショウをいくつもキャンセルしなきゃならなかった。心の傷は俺らがやり続ける源になり Basement Jaxx をより強くしている。

2009-06-28 Felix Buxton

Basement Jaxx の曲はボーカルメインのものが多いのでエレクトロニカ初心者の方にもおすすめです。

2009-10-12

Rhythm, Chord & Melody - The Reign Of Kindo

The Reign Of Kindo の 1st フル・アルバム。タイトルが示すとおりリズムとコード、メロディへのこだわりや想いが感じられ、それぞれ聴き応えのある曲で構成されています。良いです。

音はジャズの要素あり、ポップの要素ありなロックという感じです。ジャズの要素は特にピアノとドラムに多く感じられます。聞き慣れない人には難しく感じられるかもしれないリズムや曲展開もありますが、慣れる (?) と実に楽しい曲が多いです。おしゃれな曲として BGM にも使えるとは思いますが、是非ヘッドホンなどで聴いてもらいたいアルバム。メロディアスなロックが好きな人には相当おすすめです。

2009-10-10

The Fragile - Nine Inch Nails

2nd アルバム The Downward Spiral から 5年ぶりにリリースされた Nine Inch Nails の 3rd アルバム。2枚組全23曲という大作ながら捨て曲は一切ない。『怒り』『渇望』をテーマとし、自らの内側からのインスピレーションにこだわり続けた内省的なサウンドの究極の形。明快なサウンドではないが、それだけに味わい深い。

The Downward Spiral にもそのような気配はあったが、今作ではインダストリアル色はさらになりを潜め特定のカテゴリに収まり切らない音が展開される。ギター、ベース、ドラム、ボーカル、ノイズ、サンプル音など実に様々な音が綿密に組み立てられ曲を織りなす様は圧巻。奇才 Trent Reznor の一つの到達点であることは間違いない。

2009-10-08

Loveless - My Bloody Valentine

1991年にクリエイションから発売された My Bloody Valentine の 2nd アルバム。フィードバックノイズが幾重にも重なる幻想的な音世界が広がる。

狂気的または暴力的ともいえるフィードバックノイズが織りなす音像と、それとは対照的な美しいメロディをなぞるビリンダの官能的なボーカルの組み合わせが中毒性をもつ。執拗なまでにこだわり抜いたであろうことが感じられる音を聴くと、制作費が 25万ポンド (当時の日本円で 4,500万円程度) かかり、クリエイションが倒産寸前になったという逸話もうなづける。

シューゲイザーという枠組みにとどまらない一つの究極。